儚く美しく実に映画的である。
ケイト・ブランシェットが登場から麗しく、カッコよくもあり、時に悲壮感を漂わせ、クローズアップが本当に画になる。
とはいえ、ルーニー・マーラもこちらはこちらでテレーズの心の機微が痛々しいほど伝わるし、二人の演技に鳥肌、感動。
運命に翻弄されながらも二人には意思というものがはっきりと見える。
ベッドシーンの美しさたるや。
50年代の風景にどこか郷愁も感じつつ、寂寥たる映像が作品世界に完全にマッチし、最高だった。
音楽含め、ある種のあざとさもあるとは思うが、それでもなお愛というかその美しさや映画としての雰囲気にやられる。
静かなテンションでありながらも、徐々に展開されていく物語が一層こちらに沁みてくる。