ナナシ774

キャロルのナナシ774のネタバレレビュー・内容・結末

キャロル(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を一緒に語り合いたいのは男?女?
それはやっぱり女性です。

この映画を見て、大体の女性が好きそうだなぁと感じました。メインの2人が女性ということもありますが、きめ細やかな繊細さというんでしょうか。そういう良さが分かるのは、やはり男性よりも女性の方が多いんじゃないかなと。

まず、映像が良いんですよね。この映画見たいなぁと思ったきっかけでもあります。
なんて言うんでしょう、綺麗で丁寧で洗練されている、そして良い意味でクラシカルなんですよね。

2人が初めて出会うシーン、ルーニー・マーラ演じるテレーズがケイト・ブランシェット演じるキャロルに魅せられる、言ってしまえば一目惚れしてしまうシーンは上手く表現出来ていたと思います。

そしてラスト、テレーズがキャロルを見つけてから本編が終わるまでのシークエンスは見入ってしまいました。
(今、気付きましたが、ラストも出会ったときと同じようにテレーズがキャロルを目で追っていたんですね!)

ハッピーエンドなのにそこまでハッピーな感じがしないと思われた方もいるんじゃないでしょうか?それは監督が、この先は一筋縄ではいかない茨の道だよとのメッセージが込められている為、あえてそういう演出にしたそうです。
当時は今よりも理解が得られない時代ですから、さらに大変でしょう。

2人の女優さんも魅力的でした。
ケイト・ブランシェットは見た目は勿論、声もこんなに低かったっけ?と思うぐらい色気があり綺麗。ルーニー・マーラもあんなにキュートな可愛いイメージがなかったので、驚きました。
それに、この時代のファッションが好きなので、そういう意味でも楽しめました。

実は、同性同士のラブシーンが苦手です。
この映画は直接的なシーンがないと思っていたので、少し驚きました。だけど、見れてしまった。平気だったんです。
なにかここにも、この映画の良さがある気がします。女同士だからといって良い意味で特別な感じを出さないところでしょうか。
だから好きなのかもしれません。

そして監督のトッド・ヘインズは言うまでもありません。卓越した映像、演出!
彼が監督じゃなければ、ここまで面白いと感じなかったでしょう!
当初は違う監督で撮る予定だったみたいですが、彼以外考えられないくらいピッタリだと思います。なぜなら、この作品の2人の気持ちが彼なら理解できるから。
古典と呼ばれるぐらい古い原作の映画化は、全部この人に任せてもいいんじゃないかと思うぐらい素晴らしかった!

この監督は他にどんな映画を撮っていたんだろうと思ったら、ベルベット・ゴールドマインの監督だったんですね!あの映画も面白かった!
なので、同じ監督作のエデンより彼方にも機会があったら是非見てみようと思いました。