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キャロルのaのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
5.0
「天から落ちてきたよう」

見つめあった瞬間、じゅわっと焼ける様な一目惚れ。本物の恋愛は平たい言葉なんかじゃ言い表せなくて、思わずオノマトペで表現しちゃうようなものなんだな

二人の情熱的で、甘く、しかし何処か切なく視線の絡み合うシーン。瞳の移ろいだけで、時がスローモーションに変わってしまったかのよう。うっとりする。
50年代のファッションの品の良さ、精巧な作りに目が癒された…ゴールドのアクセサリーに丁寧にアレンジされたブロンド(ルーニーマーラの切りっぱなしボブ可愛い!)、カラーが計算された仕立てのいい洋服たち、随所随所でたまらん!と言いたくなるような可愛い~ファッション。テレーズの素朴なファッションに対してキャロルのファッションの華美さに、ときめいた。
キャロルがテレーズを見つめる際の「愛おしくてたまらない」ってとろけるような瞳、ケイトブランシェット様の演技力に圧巻。
例えばベッドシーンだったり、謂わば二股、下品に感じさせてしまう場面も絵画のように美しかった。女性だから、ってのもあるんだろうけど二人の互いを思う気持ちが痛いくらい真っ直ぐ、丁寧に描かれていたからかなあ。あと音楽がすこぶるいい。

劇場で一度、レンタルで2度、円盤を買おうか迷い中…。幾度観ても初めて観たように感動し、涙する(単に涙もろい)
「アデルブルーは熱い色」が肉感的な"ナマ"のLGBT映画だとすれば、キャロルはそれと真逆の映画だ。
熱い一目惚れ、短い冬の旅。大恋愛!
愛されてる事を嫌という程に実感して、自らも全てを投げ出し愛せたら、結果はともあれこの上なく幸せだろうなと思った
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