久しぶりに鑑賞したが、「キャロル」はやはり素晴らしい!
冒頭、地下鉄の格子に電車のブレーキ音と共にタイトルが出る。
そして、ニューヨークの街並みへと続く長回しが秀悦で、一気に引き込まれる吸引力がある。
主に描かれるのは、1950年代クリスマス目前のニューヨークが舞台。
パトリシア・ハイスミスの原作による禁断の物語。
音楽はカーター・バーウェルのスコアで、映画に合わせて3つのメインテーマがある。
画はアメリカ映画のクラシックでノスタルジックを再現した高度な技術で撮影されている。
映画のシーンは、どこを切り取っても小道具や衣装など、カラーコーディネイトされ、映るものすべて鮮やかできらびやか。
とはいえ、この映画のお膳立ての全てはこのふたりを際立たせるためにある。
兎に角、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラがひたすら美し過ぎる!(特に、ルーニー・マーラー好きにはたまらない!)
このタイミングのふたりをパッケージ化した点が、本作の最も価値が高いところではないか。
日常と非日常との狭間で揺れ動くふたりの葛藤、背徳感、心理描写の細かな移り変わりなど、女心を捉え方、台詞で説明しない演出手腕は、ハイセンス、ハイレベル、ハイクオリティー。
ほかにも時間軸をややシャフルさせ視点の変化の対比をしたり、良質なロードムービーでもあったりなど、物語の起伏にも富み、見せ方が大変素晴らしい。
新作の公開を控えているトッド・ヘインズの今のところ最高傑作だ。
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