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キャロルのLEGIONのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
1.5
デパートの店員である主人公はお客として来たキャロルという女性に目を奪われてしまう。2人の女性の恋愛模様を描いた物語。同性愛というものに偏見は無いし批判するわけでは無いが映画として面白さが感じられなかった。主人公とキャロルの美しさ、時代背景や小物、飾りがオシャレで上品に感じただけ。料理と同じで見栄え(=人物の美しさ、おしゃれな物・舞台など)がいくら良くても味(=ストーリー)が不味ければその料理(=作品)は不良品と同等。主人公、キャロル視点からほとんど描かれるこの作品はキャロルの美しさをより視聴者側に感じさせるために一箇所映画冒頭に別の人物からの視点でキャロルを映す。恋をしてない目線から映るキャロルの美しさはより魅力的でカメラワークは上手いように感じられた。映画冒頭では時間軸を入れ替えてあり映画後半でその場面が出てくるのだが入れ替える必要性が全く理解できなかった。冒頭で映された登場人物の印象と中身を挟んでから再び映された登場人物の印象は全く変わらない。何より映画冒頭で視聴者側は登場人物のことなど何も知らないのだから印象の変化など起こるはずがない。無意味な技法で映画としての質を落としてるのが少し残念だった。
ストーリーは大きく(主人公とキャロルが恋する→社会に認められないもの)だけである。出来事として親権問題などは起こるがその他ではストーリーとして簡単に事が片付くことをいちいち間延びさせていて映画の時間がとても長く感じた。途中途中カットしたとしても話として繋がってしまう気がする。映画において一つ一つの展開を生かした作りになっていなければ盛り上がりに欠けるし映画としての意義が薄れる。同性愛の辛さは内側、外側両方から描けていたが外側からの迫って来るという圧力が無いに等しい。緊張感もないから自由に存在できないキャロルに感情が昂りにくい。
キャロルはそこまで頭の弱い人間として描かれていなかったが単独親権をさせられそうになり、「素行を調べられる可能性がある」と弁護士に言われたのになぜ不利になるようなことをわざわざしにいくのか。途中途中登場人物それぞれ理解できない行動をとるから全体として感情移入しにくかった。
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