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ストックホルムでワルツをのodyssのレビュー・感想・評価

ストックホルムでワルツを(2013年製作の映画)
3.0
【ヒロインが正統派美人】

スウェーデンの女性ジャズ・シンガーの伝記。

作りはきわめて普通です。電話交換手をしながら歌っていたのが、徐々に頭角を現してスウェーデンを代表するシンガーになっていく。途中では父との確執や子育ての悩み、男関係の変遷など、色々あるけど、それほど斬新な感じはしません。

よく分からないところもある。ヒロインはロンドンで開催されたヨーロッパの歌手選手権に出て最下位になるのですが、ここはもう少し説明が必要だと思う。彼女はそれほど歌唱力が低かったのか、或いは他に(例えば審査の仕方の問題など)理由があったのか。

というのは、私はジャズのことはよく分からないんですけど、この映画を見ていて、ヒロインは歌は下手ではないけれど、そんなにインパクトのある歌手なのかなあ、普通に歌がうまい、その程度じゃないの、という気がしたからなんですね。最初のあたりでアメリカに進出する場面がありますね。だけど客にはそっぽを向かれ、尊敬していたエラにもさんざんこき下ろされる。

問題はここんとこなんです。その後、ヒロインが歌唱力を鍛えるとか、歌い方に工夫を凝らすというような場面がない。もちろん、時代が変わればどういう歌手を評価するかも変わるし、また当時はジャズは英語じゃなきゃと思われていたのを、スウェーデン語で、それも自国の詩人の詩で、という新機軸を打ち出したことは分かります。でも、それだけで田舎にくすぶっていたシンガーが一躍認められるようになるものなのかなあ。

私は、この映画の最大のみどころは、ヒロインを演じるエッダ・マグナソンの美貌だと思う。ヌードもちゃんと披露してくれているし、最近には珍しい正統派美人だなと感心しました。音楽映画なのに、こういう鑑賞の仕方って、邪道かなあ(笑)。
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