ゆうゆ

ストックホルムでワルツをのゆうゆのレビュー・感想・評価

ストックホルムでワルツを(2013年製作の映画)
3.8

成功をつかもうとすればするほど ほんとの幸せが遠のいていくような矛盾と葛藤。
好きな仕事をして 愛のある家庭を築きたいし 父親にも認められたい、
手にしたい理想が明確だからこそ、思うように運ばない現実に翻弄され消耗し 今にも萎んでなくなりそうな '女王' モニカを見ているのは辛かった。有名になるにつれての理想と現実の歪みや幼い子を抱えての家族との葛藤、愛で補えない孤独な心はアルコールで満たして。次第に虚しさとひりひりしたしんどさで覆われていく感覚に襲われたのは多分私だけではなく 彼女を大切に思い見守ってきた人達も同じだったと思う。
ひたすら木を登り続け てっぺんから見渡す景色の美しさを誰よりも喜んだのはあの気難しくて衝突してばかりの父親、ブレない芯の強さはもしかしたら父親譲りだったのでは? 彼のこっそり流す涙には思わずもらい泣き。

モニカのクラッシックな美貌と ブルーを基調としたレトロな北欧インテリアやファッション、そして彼女の歌う名曲の数々はジャズに明るくない私でも耳にしたことのあるメロディで心踊る。途中 意外とヘビーで有名人あるあるな展開。実在するジャズシンガーさんだったって最後に知りました。
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