こたつむり

ファイヤー・ストームのこたつむりのレビュー・感想・評価

ファイヤー・ストーム(2013年製作の映画)
3.6
♪ 今吹き荒れる 嵐の中
  そう抱き合って 確かめ合って
  失うものなど何もなかったはずだね

ちょっと、やり過ぎ…。
と呟きたくなるほど過激なアクション映画でした。さすが香港。愉快な香港。限度を知りませんね。

何しろ、警察が民間人を気にしません。
銃撃戦のさなかに退避を促しますけど、実際は犯人逮捕(あるいは射殺)のほうが優先。ガンガンと撃っちゃうんです。血肉が飛び散るんです。

一応、それには理由があるんですけどね。
だって犯罪者が生粋の悪党ですから。「てめえらの血は何色だ?」と言いたくなるほどの外道っぷりですから。女子供も容赦しません。仲間ですら足を引っ張るようなら簡単に切り捨てちゃいます。

そして、瀟洒な筆致が更に盛り上げます。
最先端(当時)のテクノロジーで物語をガンガンと追い回すので、正直なところ、付いていくのが精一杯。深くまで考える余裕を与えてくれません。

これは完全に作戦勝ちですね。
冷静に考えたらツッコミどころは多いんですが、それを丹念に潰すんではなく、派手な仕掛けで覆い隠す…その流儀を最後まで貫くんです。ここまで極めたら感服ですね。

まあ、そんなわけで。
過激さを極めた香港アクション映画。
ハリウッドとは一味違う迫力がありますので、何も考えたくないときにオススメです。

ただ、分かりやすい作品ではありません。
メリハリを効かせるために場面転換が激しいので、人間関係とか、警察内の役職とか、それこそ登場人物名とか、細かい部分を気にすると躓くと思います。大切なのはフィーリングですね。

勿論、友情や愛情もスパイス程度。
大切なのは、叩き潰すか、叩き潰されるか。こういうのを“大陸気質”と言うんでしょうか。日本では絶対に描けない極地だと思いました。

そういえば、この前。
電車で吊皮に掴まっていたら、目の前に座っていた中国人らしき男性に「足を組みたいから下がれ」的なジェスチャーをされました。これって向こうでは普通のこと?中国怖い(←偏見助長)。
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