大富豪の巨額の遺産で組織されたどこの国や組織にも属さない諜報機関というところで頭に『?』が湧いた。
諜報組織とは、依頼者たる組織や国家の利益や権利を堅守、或いは相手のそれを毀損する為の組織でしょう?
どうやらその資金の出元は英国人だろうし、やはりイギリス人の正義に準拠した行動原理に基づく諜報活動に限られるだろう。
イギリス人がgentlemanでいられたのは、大航海時代から産業革命で世界の覇権を握って、東インド会社でダージリンやらセイロンティーを独占していた時代までだろう。
大体Tailored suitsに黒縁眼鏡でgentlemanだというのは安直過ぎる。
が、相対するS.L.ジャクソンが殊更McDonald’s やYankees Cap等で俗悪なアメリカを演出しているので意外にバランスが良い塩梅だ。
つまりスパイアクションコメディとしてはよく出来ている。
それにS.L.ジャクソン扮するバレンタインは今日のIT Giantの暗喩だとすればあまり笑えない。
富豪のcharityに裏がある様に、タダでサービスを提供する会社組織の裏に何があるのかは、やはり警戒を怠ってはならないという注意喚起が目的なら、社会派ドラマとしても観る事が出来る。
でもなぁ、あんな条件なら契約しちゃうかなぁ。しちゃうんだろうなぁ。
だから選民意識の権化達の頭が花火になるシーンはとても爽快だ。
溜飲が下がる事甚だしい。
義足を操るGazelleは、彼女だけでスピンオフが制作出来るんじゃないの?と思うぐらいには好みです。