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キングスマンのYYamadaのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.0
【スパイ映画のススメ】キングスマン①)
〈諜報員〉
🇬🇧独立諜報機関「キングスマン」所属
ハリー・ハート
ゲイリー・“エグジー”・アンウィン 
 
◆作品名:
キングスマン (2014)
◆ミッション:
「人類凶暴化」電波拡散の阻止
◆敵役俳優
サミュエル・L・ジャクソン

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その代わりに、ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーをキングスマンの候補生に抜擢する。
・一方その頃、頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた…。

〈見処〉
①表の顔は高級テーラー。その実態は…
 最強のスパイ機関「キングスマン」。
・『キングスマン』(原題: Kingsman: The Secret Service)は、2014年にイギリス・アメリカ合作にて製作されたスパイ・アクション。監督は『キック・アス』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマシュー・ヴォーン。
・本作のプロデューサーを兼ねるヴォーンは、『キック・アス』原作者で、旧知のコミック作家、マーク・ミラーと対談し、「近年のスパイ作品はシリアスばかり。楽しいスパイ映画を作りたい」と意気投合。本作の企画を実現させるために『X-MEN: フューチャー&パスト』の製作を降板してまで挑んだ本作は、往年のスパイ映画にオマージュを捧げつつ、超高速なアクションなど革新的な描写により「スパイ映画の復活」として高い評価を受け、世界的なヒットを記録した。
・主演は『英国王のスピーチ』(2010)でアカデミー主演男優賞に輝くコリン・ファースと、本作でブレイクを果たしたタロン・エガートン。共演は、マイケル・ケイン、マーク・ストロング、サミュエル・L・ジャクソン。『スター・ウォーズ』シリーズのマーク・ハミルのカメオ出演も話題を呼んだ。

②印象的なアクション
・当時54歳。アカデミー俳優コリン・ファースは、本作出演に向け、1日3時間のランニングを含む6ヶ月に及ぶ肉体改造計画に取り組み、スタントの約80%を自身にてて演じている。
・本作の最大の見せどころと言われる、アメリカ南部教会での「1人vs暴動信者多数」の圧倒的な暴力シーン。その大部分をファース自身が演じているが、ワンカット長尺の過激な殺戮シーンにより、一部の国では上映が回避された。
・また、60人以上の若手俳優のスクリーンテストを勝ち抜き、本作の若き主人公エグジーに抜擢されたタロン・エガートンも、本作中でシックスパックを披露するため、厳しい肉体改造に取り組んだ結果、新しいスターの誕生に繋がった。
・映画撮影初日のアクションシーンであった「キングスマン候補生に対する地下室水槽脱出」の場面では、制御コンピュータが正しく作動しない緊急事態が発生。同シーンの若手俳優たちの恐怖に満ちた表現は、結果としてリアルなものだったそうだ。

③結び…本作の見処は?
上映時間129分間の密度がとにかく濃い。
◎:「英国紳士による諜報活動」「実際にはあり得ない高性能ガジェットの数々」「緊張と緩和に富んだ、コメディとグロテスクな殺戮シーンが絶妙な配分」は、ショーン・コネリー~ロジャー・ムーアまでの初期007作品に通ずる「スパイ映画のルネサンス作品。本作以降のスパイものは、本作か、ダニクレ007の2つの潮流のどちらかに系譜しているはず。
◎: 冒頭のパブや中盤の教会シーンによるコリン・ファースによるワンカット・アクションは、Xメンのクイックシルバーのような流れる所作が印象的。『キック・アス』監督でもあるマシュー・ボーンの演出が冴える。
○: 環境保護のために人類を殺戮。『アベンジャーズ』のサノスと同じ思想を持つサミュエル・L・ジャクソンによる吃音をまじ交えた目立たね怪演は、実はスゴイ。
▲: エロはないがグロはある。ロバート・ロドリゲスのようなハチャメチャなおもちゃ箱演出は、キライな人はキライなはず。。
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