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キングスマンの&yのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
3.9
【2015/9/14:TOHO渋谷】
たのしいたのしいファッション映画。
「裏切りのサーカス」でも眼福だった、コリン・ファースが隙なく着こなす英国紳士のお手本スーツスタイルもさることながら、英国紳士的ウェポンの数々が楽しい。

例えば、傘。
ずいぶん前だが、わたしが勤める店では紳士物の傘を扱ってて、その取説には「雨の日はご使用にならないでください」と書いてあった。そのときに先輩から英国紳士にとって傘は道具ではなくアクセサリーなのだと聞き、ほえーーーーっと驚きつつも、非実用の粋とでも言おうか、伊達の美学というものを知った。そんな粋なカッコつけアイテムが実はめちゃくちゃパワー発揮しちゃうとか、しかもそれを操るのがコリン・ファースだとか、なんかもう俺得ならぬワタシ得感満載…アガるしかないです。

そしてそして、他キャラのファッションも楽しい。NEW ERAに下ろしたてのKICKS(ソール真っ白‼︎‼︎)という、サウスブロンクスから成り上がった悪スティーブ・ジョブズ的スタイルのサミュエル・L・ジャクソン(似合いすぎ)。ジェレミー・スコットやフレッド・ペリーを「私たちが憧れるロンドン」スタイルそのまんまにフツーにソツなく着こなすタロン・エガートン。彼らふたりのファッションは全く違う(アディダスのセレクトの違いに注目‼︎‼︎‼︎)けど、それぞれがコリン・ファースの英国紳士スタイルとは対極をなしており、キャラクター設定や関係性を一発で示してて面白かった。脇役の嫌味なボンボンスタイルも若かりし日のチャールズ的で良かったし。コミックが原作だから?

お話は、、え?死ぬの??とかあいつ弱くね?とか園子温?会田誠?とかビッグマックにはフィッシュ&チップスで応戦しろよとか、あの訓練「美少女プロレス 失神10秒前」並みに役立たなくね?とかツッコミどころは多々あれど2000歩譲ってOKとして、「マナーが人をつくる」と繰り返すわりには英国式ジェントルのマナーを若造に教示する過程が雑だったのはかなり残念。そのせいでラストがイマイチ気持ち良くなかった。

とか言いつつも、先に記したファッション映画的要素であっという間の楽しい2時間でした。
日本でも、世界中に自慢したくなるようなカルチャーを詰め込んだ超娯楽映画がもっと作られたらいいのに…と、JBネタを思い出しつつ。ふと。

コリン・ファースはやっぱいいよね。
マジ正義。ジャスティス。
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