Donatello

キングスマンのDonatelloのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.6
ある程度映画を観てる人で、『キック・アス』も観た事がある人に、ブラインド・テストでこの映画を観せた上で、「本作と雰囲気の似た作品を挙げよ」という問いを投げかけたら、7割ぐらい『キック・アス』と答えるんじゃなかろうか。
プロットは異なれど、それほど全体的なノリが同じ。

マシュー・ヴォーン節炸裂の独特のカラーと面白さを持った映画ですよええ。

僕が好きなバンドBEST5に入るダイアー・ストレイツのグラミー賞受賞曲「マネー・フォー・ナッシング」が流れる中、なかなか面白いオープニングクレジットで幕を開け、アップテンポで加速していく物語。

『007』シリーズとも『M:I』シリーズとも異なる基本的なスパイコメディ路線に、ポップな残虐性と冴え渡るアクションを載せて、イカしたスーツと洒落た小道具が華を添える、まぁとんでもない作品でしたわね。

同じ諜報員ものでも『裏切りのサーカス』の時の若干くたびれた感じとは違う、引き締まったコリン・ファースさんの魅せる「裏切らないサーカス」。
無駄に凝ったカメラワークと流れる動きで見せる教会のシーンは圧巻。

そんなコリンさんの"サーカスの元恋人"マーク・ストロングさんもまた、相変わらずイカしたスーツ姿で、最早バーターじゃないかの勢い。

若い頃のカイル・チャンドラーさんに見えなくもない新人タロン・エドガートン君も、デビュー作とは思えない、気合の入った演技とパルクールでオイ君凄いじゃないか。

『沈黙』シリーズのあの方が旅客機救出に行った時と同じような、メインキャストの扱いの意外性も見事。

終盤の、ふなっしーすらドン引きするプッシャーシーンとか、苦手な人には苦手でもハマる人にはハマるエンターテイメント大作だと思うので、監督を放り投げない前提の続編楽しみにしてます。
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