ボン太

キングスマンのボン太のレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
5.0
もうね、大好き。こんなに悪趣味で楽しくてかっこいい映画は初めて。

表の顔は代々続く高級テーラー、キングスマン。その実態は世界を股にかけるスーパースパイ組織であった。エージェントの一人、ハリーは古い仲間を失い、その後継者を探すこととなる。偶然その候補となった青年、エグジーは、地獄の就活と世界の危機に立ち向かう。

アメリカンなギターサウンドと共に中東の武装組織を壊滅させるオープニングだけで、(あ、この映画絶対面白い)と思わせてくれた。とにかく音楽の使い方が非常に上手い。中盤のある戦闘シーン、終盤のアジトのシーンは顕著に音楽の演出が際立っている。威風堂々はズルい。

舞台はイギリス、主役は紳士のスパイといえば007が出てくるところだが、この映画は古典的なスパイ映画の面白さと、現代的なスピーディーなアクション、そして何よりイギリスらしからぬ悪趣味極まりない演出が全く違和感なく噛み合っていて面白い!ここで言う古典的な面白さとは、スパイツールの楽しさのことだと考えて欲しい。イギリスのスパイの正装、つまりスーツでバッチリ決まったコリン・ファースが、コーディネートにあった凶悪な武器を身体中に忍ばせて、敵をなぎ倒す。こんなの面白いに決まってる。スピーディーなアクションも、キャラクターに殺しに対しての躊躇がない上に人がバタバタ死んでいくので、ホントに速い。そしてここぞというタイミングで入るスローで、拳をグッと握るのです。

キャラクターの個性がいちいち効いていて愛さずにはいられない。キービジュアルだけで破壊力半端ないよ。両足義足の女殺人マシーンなんて、それだけでタランティーノ映画作れちゃうから。あと何だよあのファンキーなニック・フューリー。IT富豪?面白過ぎるだろ。

古典的であり現代的でありキックアス的なスパイアクション。ありがとう、マシュー・ボーン。
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