評判良いんだけど…。私はダメでした。
いや、面白かった、っていう人の気持ちはすごく分かる。でも、私には合わなかった。全く。
メガネにスーツのコリン・ファースが凄く良かった。男でも惚れ惚れするスーツ姿はまさに眼福。
ただ、コリン・ファース演じるこのハリー・ハートが魅力的だったかというとそれはまた別の話で。
ベテラン諜報部員の活躍が、元同僚の息子に絡む連中への制裁だったり、教会での大殺戮とかくらいしかないってどうなのよ。
せっかくベテランのスパイなんだから、敵の裏の裏の裏を読んで行動するなんつーのが見たかったのにそんなことは一切なく。
というか、教会でのシーンが痛快だった、って人が意外に多いけど、あれはハリーの本領発揮というよりは悲しい暴走シーンですよね。その後の展開を考えても。
それとも皆さん、そんなに福音派に敵意を持ってらっしゃるのかしら。
いや、私も『ボラット』で笑ったクチですけども。
敵のサミュエル・L・ジャクソンにノコノコ会いに行ってるんだから、ある程度のリスクは想定できるはずなのに、自分の店に来たサミュエルに何驚いてんだ、と。あのーちょっと呑気過ぎやしませんか、と。
あと、マナーがどうとか言ってるけど、台詞だけじゃなくて行動で分からせて欲しかった。紳士っぽい事も特にしてなかったような。
と、お話を引っ張る人がこんな感じに薄っぺらいので、エグジーがハリーに惹かれるのにも全く共感不能だし、はっきり言ってそんなに仕事が出来そうもない(いや、一見仕事は出来そうだけどもデキるオトコ描写が皆無なので)ハリーを使ってる組織もなんだかバカっぽく見えてきてしまうというね。
あの組織の中ではマーク・ストロングだけはピカッと光ってたと思う。というか、組織のスケールがショボく見えてしまうのは如何なものですかね。
あと、劇伴がダメなのもキツかったなぁ。
マーベル映画オマージュみたいなやたら勇壮な音楽はこの映画のテイストと合わないのでは?鳴ってる場面もなんかヘンだったしなぁ。ま、ダサかった。はっきりいって。
とあるキャラが意外な退場をするけども、それもねーなんというか、作り手の愛が感じられないというか。こんな死に方しても、エモーションは全く高まらないんだけどなぁ。
驚きはしたけど。それ以上でもそれ以下でもなく。
ここけっこう映画の転換点で大事な気がするんだけどもなぁ。上手くないなぁ。
後半の展開も思い出すといちいちイラッとくるのでもうやめとこう…はぁ。
そう言えば『キック・アス』も合わなかったし、この監督とは相性悪いってことで片付けておきます。
今のところ私の今年ワースト。