タランティーノという人は、映画好きが「こんな映画があったら楽しいよね」と思う気持ちを一番わかっている人なのではないでしょうかね。
いつもながらに始まってからの映像と音楽のマッチングが本当格好良くて、見る側をぐいっと映像の世界に引き込む手腕にこちらもまんまと嵌る。
馬が雪中走るシーンで「オオッ」と思ったことなどないですよ、今まで一度も。銀世界を死体と悪人・・・すごい映像。
実際こんな奴ら、近くにいたら嫌だし、絶対に友達になんて御免こうむりたい悪い奴ら。
こういう悪人なのに変に肩入れさせたくなるのは、それはタランティーノの魔法。
観たら絶対に食べたくなるアレ、飲みたくなるモノ・・・西部劇をちゃんと踏襲してますよね・・・
ハリウッド一薄幸が似合うあの人の贅沢な使い方、もうそれだけで満足、大満足。
それまでにちらばる伏線、タランティーノの場合、張るというよりそこここに置いてこちらを試しているかのような意欲を感じました。本当、この人はかゆいところに手の届く人と言いますか・・・
3時間となると成人用おむつが必要かと思われたのですが、そんなことは忘れてしまう濃密な時間でした。
ミステリーには結構うるさい自分ですがこれは心から面白かったですね。うん、最高。
