桃子

ヘイトフル・エイトの桃子のレビュー・感想・評価

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)
4.0
西部劇が大好きなので見ることにしたのだが、映画紹介を見ると密室ミステリーだという。おまけに監督はタラちゃん。ミステリーも大好きだしタラちゃんも好きなので、これはもう見るしかないと思い、夜遅くから見始めた。当然、見終わったのは真夜中…
3時間もあったのかと思ったくらい、長さを感じなかった。長さを感じる=つまらない、ということなので、面白かった、ということになる。
密室ミステリーとしてよくできている。謎解きの部分で、ちょっと面食らってしまって、巻き戻して見てしまったけれど。解説によると、最初から伏線が張ってあるらしい。犯人がわかってから再見すると、もっと面白さがわかるのかもしれない。
この監督は映画界の鬼才である。人と同じようなものは絶対に作らない。なので、先日見た西部劇とは対極にあるような凄い内容だ。過剰なほどの残虐シーンのオンパレードと下品な台詞。それでいて、ユーモアも含まれている。
好き嫌いがはっきり分かれるだろう。というより、タラちゃんが苦手な人は見ないと思う。
今どき珍しく、デジタルではなく昔ながらのフィルム、それも65mmのフィルムで撮影され、公開時は70mmの画面だったという。私は写真撮影が趣味なのだけれど、フィルムで撮ることにこだわる気持ちがわかるので、こういうマニアックさは共感してしまう。
ひとつ残念だったのは、デイジーが弾き語りをする時に使ったギターが本物のヴィンテージもので、壊す時はレプリカを使う予定だったのに、俳優さん(要するにカート・ラッセル)に伝わっていなくて、そのヴィンテージギターを本当に破壊してしまったこと。こういう大事なことは、ちゃんと言っておかなくちゃダメでしょ~~~
単に西部劇が好きだからという理由で見ると、違和感炸裂だと思う。とにかく残虐シーンが苦手な方は見てはいけません。
桃子

桃子