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ゴジラ キング・オブ・モンスターズのjojoのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

先日ようやく「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を鑑賞。

この映画の軸はざっくり分けて3つあります。

①怪獣の大バトル
②渡辺謙演じる芹沢博士のドラマ
③仲の悪いバカ親子のドラマ

①に関しては流石ハリウッドの超大作だけに、日本の着ぐるみやピアノ線の操演では表現できなかった動きがCGで再現されており、過去最高レベルの壮絶なバトルを画面狭しと繰り広げてくれます!もうここだけで観る価値は有ると思います。これに関してはスコア4.5です。

②我らが渡辺謙さんが日本人の代表として前作以上に活躍!
前作では正しい発音で「ゴジラ!」と言ったことぐらいしか出番が無かった謙さんが今回はかなり重要な役割を果たします。
やはり怪獣映画に日本人が出演しているとなんだか安心します。

そして超重要なのが③!
全世界が滅びるかもしれない、この地獄絵図のような状況で同時に進行する、仲の悪いバカ親子のドラマがひたすら続くのは、苦痛としか言いようがなかったです。これがマイナス要因でした。

怪獣により一度地球の環境をリセット!という信念を貫く「アベンジャーズ」で言うところのサノス枠のママ一人の暴走で、これだけ無茶苦茶になるのさすがに無理がありすぎる。

ちなみに怪獣により破壊→大地が新たに生まれ変わるという発想は、巨神兵と腐海の関係のようで、絶対にママは「ナウシカ」の大ファンだろうと思いました。

挙げ句、夫も特に役に立つわけでなく、しかも全然知らない役者さんなのにアップショットがやたらインサートされる始末。それよりも怪獣を観せてほしかったです。

結局これだけの壮大な地球規模の話のはずなのに全然スケール感が出てないのは、この家族のドラマを無理くり中心にしているからです。

後半娘を探しに行くシーンなんてにはもやどうでもよく、ゴジラとギドラの大バトルだけにしてほしかったです。

あと幾つかあるがっかりポイントの一つで、世界中の怪獣が目覚めて集結する場面。全17体とか言ってたんで、もしかしたら、アンギラスとかカマキラスとかエビラとかサプライズがあるかと、相当テンションが挙がったんですが、実際集結したのはクモンガもどきとか、なんかよくわからん動物達でしたね(苦笑)「アベンジャーズ・アッセンブル!」は相当燃えたのに「モンスターズ・アッセンブル!」は全く燃えず・・・。

まあ予算の関係だとは思うのですが、せめて同じ制作会社による「パシフィック・リム」の怪獣とか出してくれたら良かったのに。

それと個人的に改めて思わされたのが核ミサイルの扱いです。
ハリウッド映画における核ミサイルは基本「すごい威力の爆弾」程度の認識で、他の映画でも爆心地に防護服無しで平気で乗り込んだりと、どうも「放射能汚染」というものが存在しないようです。

そして今回。ラストのある重要な場面で核ミサイルは「エナジードリンク」的な扱いで驚きました。もちろんそこに至るロジックは積上げてはあるものの、それを芹沢博士がやるのかと思うとなんとも言えない気持ちになりました。

まあいろんな方のネットの考察を見ると理解できんこともないんですが、心が歪んでいる僕には、なんか「核の正当化」にしか見えなくてどうも受け入れられません。

この映画では確かに「日本リスペクト」が凄かったんですが、必ずしもそれがプラスになってないのが残念でした。

あの超兵器の扱い、なんとなく小美人ネタ等過去の日本のゴジラシリーズのようにSF的ファンタジー的要素を入れるのか、それとも「シン・ゴジラ」のようなリアル路線か、そのどちらにも完全に振り切れてない感じがもどかしかったです。

そして最後に超個人的意見です。

前作は平成ガメラ一作目のリメイク?と思うぐらいプロットが似ていましたが、今回のゴジラ、宇宙怪獣の登場。怪獣による地球の環境改変。それを許さないゴジラがとりあえず人間の味方。壮大なエネルギー補給で復活。新必殺技で勝利。でもいつか人間の敵になるかもねラスト。

これど~~~~考えても平成ガメラ2作目「レギオン襲来」に思えるのですが僕の考えすぎなんでしょうか?

とまあなんだかんだ書きましたが、やはり過去に例のない怪獣同士の大バトルは劇場で観る価値は絶対にあると思います。

そしてなによりも次回作でのキングコングとの対決! 
もしかしたら今回の不満点もこれを観たら吹っ飛ぶかもしれません。

ちなみに映画で感動したのが!なんと言ってもエンドロール最後の、ゴジラスーツアクター中島春雄さんの写真でした! これは本当に素晴らしいリスペクトでした! サントラも今回初めてハリウッド版で伊福部氏のゴジラのテーマが使われてサントラ好きとしてたまらんかったです。
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