ジョン

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのジョンのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラ愛あふれる監督が撮ったのが一目でわかる良作ですが、個人的にはどうにもかゆい所に手の届かない感もある映画です。

まず「怪獣王ゴジラ」と「最強の怪獣ギドラ」を軸にガイア仮説なども織り込んだ平成シリーズを彷彿とさせる設定やストーリーは見事なのですが、肝心のバトルシーンの舞台が基本的に暗く視界不良なせいで何が起こっているのかしっちゃかめっちゃかなのが実に惜しい。単純なモンスターパニックものならアリかもしれませんが、怪獣バトルを期待して観に来た側からすると正直消化不良感も残ります。
また、登場人物も皆キャラが立っていて面白いのですが、ストーリーの軸になるはずのラッセル夫妻だけは立ち位置がいまいちハッキリしておらず、感情移入しづらいのも難点です。
加えて旧作では芹沢博士があまりの危険さ故に命を懸けて封印したオキシジェンデストロイヤーが本作では破れかぶれに飛び出したポッと出兵器というのも旧作ファンとしてはどうにも引っかかります。

勿論怪獣達の迫力や怪獣と人間を巡るドラマなど光る点も多く、面白い映画なのは確かなのですが、むしろ映画としては面白い方であるが故にかえってアラが目立ってしまっているのが実に惜しい点です。
とはいえモンスターバースもまだまだ始まったばかりですし、今後に期待できるだけの映画には仕上がっているのではないでしょうか。
ジョン

ジョン