ヘンダーソン

ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズのヘンダーソンのレビュー・感想・評価

2.9
シャーマン兄弟の父親アル◦シャーマンがジョージ◦ガーシュインと並び称されるようなアメリカンポップスの作者とは。そこにまず驚いたし、シャーマン兄弟はかなりのサラブレッドということになる。

この作品は兄弟ならではのぶつかり合いと別離という部分にフォーカスを当てた作りになっているが、衝突するのは性格の違う兄弟だから、ではないと思う。二つの個である人間がずっと一緒にいたら、衝突するのは当たり前だ。兄弟という部分にフォーカスされてしまうのは、シャーマン兄弟にとって不幸だったと思う。

それにしてもこの兄弟は夥しい数の作品を残している。代表作はメリーポピンズなのだろうけど、それにしても多作だ。

ウォルトとの深い信頼関係や、ウォルトに愛されていたが故に嫉妬から敵が生まれてしまい、それが理由でディズニーを一時的に離れていた話など、ショービジネスの浮き沈みの怖さを感じさせる。
ボブはロマンチストで、ディックはセンチメンタルだという分析が印象深い。センチメンタルは物事が続くと思い、ロマンチストは続くなと思うのだそう。