叡福寺清子

レディ・ソルジャーの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

レディ・ソルジャー(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

あ,今判決が出た模様です.グアンタナモ湾収容キャンプにおける米新兵と拘束されたアラブ人二人の蜘蛛の糸のように細く脆い交流を描いた本作に「レディ・ソルジャー」と素っ頓狂な邦題を付けた責任者に判決がでた模様です.速報ですが,不定期に耳穴から玉ねぎの煮汁が湧き出す呪いにかけられる模様です.現場からは以上です.
気づいたのは色の少なさ.舞台はグアンタナモ湾収容キャンプ.アメリカ人は迷彩柄の軍服,アラブ人は拘留者用制服.であれば,明るい基調の配色が少なくなるのも当然ですが,その乏しい色彩が視聴者に緊張を強要します.軍人さんのオフ日描写もありますが,場に馴染めないコールさんが画面を占めますから,やはり視聴者は心安らぎません.まぁ私自身はしんどい物語が好きですから,どんと来いとやぐら茶屋のCM状態です.こんばんわ三遊亭呼延灼です.
さて皆さん,プリキュア,観てますよね.そんな子供番組・・・とバカにした御仁はビール,発泡酒,さらに第三のビールが全て「こどもののみもの」の味に変わる呪いにかかればいいんですよ.そのプリキュアにおいて重要な通過儀礼,そして動作があることをご存知でしょうか.通過儀礼とは下の名前で呼び合う事.毎年更新されるプリキュア,主人公と後々仲間になる人達との当初の関係は様々です.幼馴染だったり,学校の先輩だったり,地球に来た宇宙人だったり,敵幹部のアンドロイドだったり.そんな彼女達の仲間意識の象徴が名前呼び.一気に距離が縮まります.そして名前呼びが仲間意識の象徴だとすれば,チームプレイの象徴となるのが「手を繋ぐ」事.どんな逆境でも仲間と手を繋げば力が湧いてくる,絶対に諦めない気持ちになる,とても重要な行動です.
本作を視聴された皆様はもうおわかりですね.終盤,それまでずっと「ブロンディ」と呼んでいた拘留471号さんにコールさんは名前を教え,さらには手を握り合います.
その瞬間「君と俺は交戦中だ」と嘯いた拘留471号さん,つまりアリさんとコールさんは心が結ばれたのでした.たとえ,分厚い金属の扉で隔てられていたとしても.
それでもそこは現実の世界.コールさんは新しい赴任先に移動しアリさんは拘留室に留め置かれるのでした.合掌.