MMM

あと1センチの恋のMMMのレビュー・感想・評価

あと1センチの恋(2014年製作の映画)
4.0
「何かを選べば、選ばなかった可能性に苛まれる。」

選ぶことって、怖いですよね。
選べば必ず、その結果が訪れる。
そして、後悔をするかもしれない。
他の選択肢を選んでいたらという可能性の輪廻に囚われてしまう。

だから人は、解釈をするのかもしれません。
自分の選択が間違っていなかったと納得するために。
自己暗示をかけ、心の声に耳を塞ぐ。
本当に望むものをわかっていても、見て見ぬ振りをしてしまう。
いや、そうせざるを得ないと思わせてしまう状況に囲まれていることの方が多いかもしれません。

この映画もまさにそう。
両想いなのはわかっちゃいるけど、タイミングが許さない。
状況が2人を引き離す。
でも、だからって、1人じゃ寂しい。
そんな欲求を満たすために、心の拠り所を求めちゃうのが人間の性だし、ベストが無理なら、ベターでいいから気を紛らわすこともあるでしょう。
そういう人間的な弱さが現実味を帯びてしっかりと描かれていて、共感しました。

姿形は違えど、みんなに当てはまる恋わずらいであり、もどかしさであり、不器用さがあって、観る人の多くは主人公たちと自分とをオーバーラップできて、楽しめるんじゃないかなあ。

かくいう僕も、まだまだ色々選択しかねています。
決めると怖いし、戻れないし、持ってるものが自分を縛ることを知っているからこそ、それに縛られて苛まれてる人をみると同じ轍を踏みたくないと思ってしまうから。
しかし、選択と可能性の魔物からは逃れられない。
ならば私は、いつだって、心の声に耳を傾け、勇気を持って行動しよう。
穴を埋めるような妥協じゃなく、考え抜いた道を歩もう。

シンプルに身軽に、自由でいるために。
自分に嘘をつかずにいよう。
最後の2人のように。
それが自分の人生への愛だ。
MMM

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