あんときの井上

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3.1
劇中で地球を青いドットと喩えていたが、液晶画面のPCやスマホにもその喩えが適うなら、私たちは地球なしで生きられないようにSNSなしでは生きられないということである。

ただし、通常液晶画面は青以外にもドットはあるが、ドット抜けで青色に発色する時は故障のおそれがある。つまり言い換えると、問題のあるSNSの中で私たちは生きなければならないという、これまた現代では至極当たり前のことである。

さてそれでは、問題のあるSNSの中でどう生きれば良いのだろうか?これは現代でも至極困難な問いだろうか?

劇中に或る母親がSNSで娘のふりをして拒絶するメッセージを相手に送る。すると相手はなんと自殺未遂をする。もしここで、母親が母親として拒絶するメッセージを相手に送っていたら、先の悲劇は起こっていなかっただろう。教訓は、騙さずに本当のことを話すべしである。

また、劇中に或る妻の浮気がその夫にバレた日の翌朝、夫は後ろめたそうにしている妻に向かって朝食をどうするか訊ねるので、妻は優しい夫の顔を見てそっと胸を撫で下ろすのである。これは偶々上手くいった例であるが、教訓は、本当のことを互いに誤魔化す時が来るべしである。

以上、二つの教訓から先の問いの答えの一助にはならないだろうか?
あんときの井上

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