JunIwaoka

ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界のJunIwaokaのレビュー・感想・評価

3.0
(原題:Men, Women & Children)
2015.1.4 @ iTunes Store On Demand

2000年代初頭、インターネットなどのICTがもたらす"いつでもどこでも誰とでも"繋がることを理念としたユビキタス社会は急速に発展した。スマートフォン、タブレットがあっという間に普及し、SNS、オンラインゲーム、ネット通販、ストレージサービスは当たり前となった。僕らの世代ですら、10数年前の高校生の頃と比べたら信じられないくらい自由な世界で、なんでも手に入り、見知らぬ人とも簡単にコミュニケーションを取れる時代だ。しかし、誰とでも繋がることは皮肉にも身近な人との繋がりを希釈させた。それは目の前に話すべき誰かがいても、誰もがスマホを手にしてしまうように。
"Juno"のジェイソン・ライトマン監督最新作は、そんなデジタル・ネイティブの学生生活を中心に、子供のことを理解することが出来ない親も交え、複数人のエピソードが同時進行するアンサンブルドラマ。それぞれが抱える疎外感は家族であったとしても、友達であったとしても面と向かって言うことが出来ない。ネットへの依存は知らぬ間に実社会の煩わしさからの逃避となり、それを解決しようと思った選択が行き場を失う。その時に感じる孤独感はなによりも耐え難く、返ってこない返信を待つような誰もが経験のある虚しさだと思う。そのときなによりそばにいる人の大切さを語るメロドラマ的な展開やアダム・サンドラーの憎たらしい不敵な笑み、ザックリとしすぎなラストシーンの結論はイマイチだったけど、本国のレビューが恐ろしく評価が低い割りには、アップデートされた"桐島、部活やめるってよ"のような現代的なリアリティやもどかしさが上手く描けていて面白かった。

海外ドラマ"ハウス・オブ・カーズ"でも効果的に使われてたように、ネットのやりとりがCGによる視覚効果も面白いし、サントラはBibioだし見どころたくさん。


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桐島、部活やめるってよ
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