せーや

君が生きた証のせーやのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.2
アントン・イェルチェンって
あんなにデコ広かったっけ…?

銃乱射事件で息子を失ったサム。
事件から2年後、すさんだ生活を送るサムは、息子が生前に書いた曲のデモCDを受けとる。

鬼教官とのセッション…ではなく
こちらは温かいセッションです。

これは、普通の音楽映画じゃなかった。
完全になめてかかってたな…。

死んだ息子が遺した曲を
親父が代わりに歌う。
その曲にひとりの若者が胸を打たれる。

曲自体はほのかに90年代の香りがして
自分の好きなタイプの曲だったし、
辛い思いを背負ったサムが、息子が生きた証を訴えようと、心の限りに歌っているのだ、とストーリーにも感動してた。

でも、途中から
どういう思いで見ていいかわからなくなる。

そうか、そっちの映画だったのか。

それがわかってから、
中盤以降は複雑な心境だった。
確かにサムの気持ちがわからないでもない。
でも、クエンティンの気持ちもわかる。

音楽って
素晴らしいものであると同時に
人と人を引き裂いたり
辛い真実を語ったり
人の心を傷つけもする
凶器にもなりかねないんだな。

それでも、
ラストステージは良かった。

サムの思い。

親父として伝えたいこと
友達として伝えたいこと
夫として伝えたいこと

色々な思いが込められた歌に
涙腺を刺激されまくり。

これは、たぶん
子を持ったら、親になったら
より深く感じとることができるんだろう。

邦題、久しぶりに良かったよ。
せーや

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