アントン・イェルチェンって
あんなにデコ広かったっけ…?
銃乱射事件で息子を失ったサム。
事件から2年後、すさんだ生活を送るサムは、息子が生前に書いた曲のデモCDを受けとる。
鬼教官とのセッション…ではなく
こちらは温かいセッションです。
これは、普通の音楽映画じゃなかった。
完全になめてかかってたな…。
死んだ息子が遺した曲を
親父が代わりに歌う。
その曲にひとりの若者が胸を打たれる。
曲自体はほのかに90年代の香りがして
自分の好きなタイプの曲だったし、
辛い思いを背負ったサムが、息子が生きた証を訴えようと、心の限りに歌っているのだ、とストーリーにも感動してた。
でも、途中から
どういう思いで見ていいかわからなくなる。
そうか、そっちの映画だったのか。
それがわかってから、
中盤以降は複雑な心境だった。
確かにサムの気持ちがわからないでもない。
でも、クエンティンの気持ちもわかる。
音楽って
素晴らしいものであると同時に
人と人を引き裂いたり
辛い真実を語ったり
人の心を傷つけもする
凶器にもなりかねないんだな。
それでも、
ラストステージは良かった。
サムの思い。
親父として伝えたいこと
友達として伝えたいこと
夫として伝えたいこと
色々な思いが込められた歌に
涙腺を刺激されまくり。
これは、たぶん
子を持ったら、親になったら
より深く感じとることができるんだろう。
邦題、久しぶりに良かったよ。