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君が生きた証のYYamadaのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.1
【ヒューマンドラマのススメ】
 ~映画を通じて人生を学ぶ

◆作品名:
君が生きた証 (2014)
◆主人公のポジション
銃乱射事件で息子を失った父
◆該当する人間感情 (24種の感情より)
 失望、罪悪感

※本作は、ご自身が鑑賞後にレビューチェックされることが望ましい作品です

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・やり手の広告宣伝マンだったサムは、大学生の息子ジョシュを銃乱射事件で亡くしてしまう。会社を辞め、荒んだ生活を送っていたサムは、別れた妻からジョシュが残したという歌の歌詞とデモテープを受け取る。
・その曲を聴き、息子のことを何も知らなかったことに気付いたサムは、ジョシュの遺品でもあるギターを手に、場末のライブバーでステージに飛び入り参加する。そんなサムの演奏を聴き、感銘を受けたロック青年のクエンティンはサムを説得し、親子ほど年の離れた2人はバンドを結成することになる…。

〈見処〉
①男には、それが生きる
 すべてになった——
・『君が生きた証』(原題: Rudderless)は、2014年に製作された音楽映画。
・本作は『ファーゴ』『マグノリア』で知られる名優ウィリアム・H・メイシーが初監督を務め、死んだ息子が残した楽曲を歌い継ぐ父親と、その歌に魅了されたミュージシャン志望の青年が、音楽を通じて再生し、成長していく姿を描いた人間ドラマ。
・主人公サム役には『あの頃ペニー・レインと』でギタリストを演じた経験のある、ビリー・クラダップ。共演はローレンス・フィッシュバーン、セレーナ・ゴメス。監督のウィリアム・H・メイシーもライブバー「トリルズ・タヴァーン」の店長を演じ、メイシーの妻フェリシティ・ハフマンは、サムの元妻役で出演している。
・劇中のバンド「ラダレス」を創設するクエンティンには『ターミネーター4』の故アントン・イェルチンを起用。ベーシストのウィリー役にはシンガーソングライターのベン・クウェラー、ドラマー役にはイェルチンと音楽活動を共にしているライアン・ディーンと、俳優経験のなかった本職のミュージシャン選ばれている。
・オクラホマ州のオクラホマシティとヘフナー湖周辺で撮影された本作は、2014年1月にサンダンス映画祭でプレミア上映され、同年10月に北米劇場公開。また、当時は珍しかった公開同時にネット配信もされた。
・日本公開は2015年2月。公開に先駆けて観客が鑑賞後に料金を決める「投げ銭」先行上映が数回行われ、その最高額は3,500円だったそうだ。

②結び…本作の見処は?
クセモノ俳優ウィリアム・H・メイシーがメガホンをとった、トンでもない作品。
◎: 作品中盤に訪れる、あるシーンから本作が意図するテーマが大きく変調。一概の音楽映画でないことがわかり、冒頭からの再鑑賞したくなる欲求に駆られる作品。
◎: 作中に登場する楽曲は、どれも青年の抑圧された心境が表現され、素晴らしい。主人公サムがラストシーンで演奏する曲は、作中に登場する息子のデモテープで未完だった玉を親子で紡いだ歌詞となっている。
▲: 楽曲に優れる音楽映画であるが、躍動感は薄く、鈍重なテーマの作品。精神状態が安定しているときに鑑賞すべき。

④本作から得られる「人生の学び」
どんなに困難で挫けそうな人生でも、生きる意義は必ずある。
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