JunIwaoka

マッド・ガンズのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

マッド・ガンズ(2014年製作の映画)
3.5
マッド・ガンズ
原題:Young Ones
制作年:2014年
製作国:南アフリカ、アイルランド、アメリカ
上映時間:100分
2015.3.31 @ ヒューマントラストシネマ 渋谷

エル・ファニングちゃん目当てに観たいな〜と思ってた"Young Ones"が"マット・ガンズ"とかいう邦題で知らぬ間に公開されてた。。ウェス・アンダーソンやノア・バームバックが仲間と称するグウィネス・パルトローの弟ジェイク・パルトローが監督した長編初作品で、興味そそられながら近未来という設定に気後れしていたけど、まったくの杞憂でした。干ばつによって水資源が貴重となる背景は文化的な暮らしからの退廃を意味して、家族の絆や子どもの成長という、もしかしたら古臭いかもしれない価値観をユニークな感性でフォーカスする。そのユニークさは水資源を巡る泥臭い闘争の中に、親子の絆を西部劇の文脈で描いたと評されているけれど、残念ながら西部劇は観たことないのでイマイチ分からず。。
3つの章に分かれ(ここがウェスっぽい)、3名の人物の視点で描くことで、行き違う複雑な心情に揺れる(このあたりはノア・バームバックっぽい)。心理描写が優れていてSF作品というよりもヒューマンドラマで、事実に至るシーンに胸が熱くなり、一人の男としてたくましく成長する姿に感動する。
映像においても優れていて、困憊していく登場人物とは対処的に、砂漠の褪せた露出オーバーの色彩が美しい。それに映画愛に溢れたオマージュが憎くて、スター・ウォーズだったり、スピルバーグ作品だったり、PTAの作品を思い起こさせる。そしてエル・ファニングの天性の可愛さは言うまでもないけど、数シーンにしか出ないボブカットのリア・オプリーちゃんの可愛さに、ジェローム同様に生きる希望を見つける。
JunIwaoka

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