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決斗!一対三のドントのレビュー・感想・評価

決斗!一対三(1952年製作の映画)
3.9
52年。いやはやこれは面白かった。こぢんまりした西部劇を思わせる題名だが、一人のガンマンの半生を描く人間ドラマwithアクション。原題は「無法の血」。
二十歳頃から老年までの人生を要所だけ押さえてどんどんスッ飛ばしながら、しかしきちんとエモーショナルに、たった83分でやってしまう。三隅研次の『斬る』を思わせる荒業。『斬る』の如く触れなば切れんな凄絶さはないが、大きな川のような時の流れを感じる。そしてその流れが濁流となりクライマックスに主人公に襲いかかるこの展開と幕の下ろし方。心を持っていかれて痺れてしまった。
適宜挿入される疾走する馬の迫力、ガンアクションの華麗な簡素さもすごい。シンプルであることはこんなにも力強い。
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