ふじこ

デッド/エンドのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

デッド/エンド(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

あんまり評判がよくないみたいだけど、結構嫌いじゃなかった。

ミュージシャンの夢を諦め、夢中だった恋人と別れた勢いで別の女性と結婚したけれど、家も子供もあり仕事も上手くいっているミッチェル。
物書きの夢を追い続け、ホームレス然とした車上生活をする昔からの友人カーター。
カーターがミッチェルを誘い、久し振りに車で遠出し、ゆっくり話をするために砂漠の真ん中で車の故障を装い始まる話。

人の人生にあんまり口を出すもんじゃないぜ、責任なんて取れないし。
と思いながらも、カーターが言う事も分かる。真の友人だと思っているから口を出してしまうんだろう。
そしてそこには所謂、"ゴールデンエイジ"とでも言うような、今の自分よりも輝いていたように思える頃があって、隣には同じように夢や憧れに勤しむ友人が居て…。
でもやっぱり、人生は夢を追うだけじゃ生きられないし、何処其処で妥協を選んで、"悪くはない"って方を選んで行くしかない。
説得の末あの頃の友人に戻ったとて、決してあの頃と同じではないし、自分も然り。夢を見ていた自分に夢を見ている。

一方のミッチェルも、妥協を重ねた上に今の生活があって、妻にも昔の自分との違いにも大いに不満があり、浮気なんかもしてみちゃう。
でもカーターに何を言われても、現在の生活を壊す気はない。

この辺りの語りが冒頭から喋りまくりで、ワンシチュエーションスリラーみたいなのを期待してたりすると非常に退屈になるのかも。
どちらの言っている事も分かるし、どちらかが間違っている訳でもないから。

ポスターだともっとスリラーやホラー寄りのイメージがするけど、そこまで重たくもなく(状況だけ見れば重いけど)、サラリと観られて良かったなあ。
最後のは賛否ありそうだけれど、こっちの方がそれぞれに選んできたものの想像出来る上で一番いい形をなぞって丸~くなりました、まぁ現実はそんなに上手く行くもんじゃないんですけどね!と言う冒頭の語りに戻る形で有りだと思った。

デッド/エンド、行き詰まりなのか、死んで終わりなのか。
意外といい邦題だったと思う。
ふじこ

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