FutosiSaito

駆込み女と駆出し男のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)
4.0
 時代劇の可能性。
 四季の移ろいと、お寺、江戸言葉に方言など「日本的なもの」が満載で、チャンバラがなくても成り立つ時代劇の良さがある。
 「私家版日本語文法」など日本語にこだわった、井上ひさしの原作らしく啖呵や洒落が多用され、セリフの応酬に舞台劇の要素も盛り込まれ、そのあたりも面白かった。
 戯作者に関するセリフには、井上ひさしの考えがよく出ていた。
 また、樹木希林や山﨑努、麿赤児など巧い役者揃いで、その佇まいだけでも楽しめた。
 大泉洋は『清洲会議』でも活躍していたし、キャラクターが似ているが、問題ない。
 女性が主役でも、大奥もの(吉原ものも同類)にありがちな「悲恋」でなく、駆け込み寺を題材にしたことが勝因だろう。
 
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