大好きな(Love)クロエ・グレース・モレッツちゃん主演に惹かれ、数ヶ月大事に大事に温めておいた作品。
ゆえに、鑑賞後、とてもガッカリ……
いえ、モヤモヤ?した感情になっております。
まず、タイトルネーム。
"第5波"
異星人による地球侵略をテーマに、ティーンネイジャーたちが危機から命からがら逃れて生還するためのサバイバル・アクションというのが軸なのですが、この手の作品において擦り切れるほど出されてきたネタを出しまくってくるため満腹感が強い。
それが、第1波、第2波……と、押し寄せてくるのが序盤。
既に第4波まで描かれてから
「いよいよ第5波か!?」
と引っ張るだけ引っ張って、蓋開けてみたら
「え?こんな感じ?」
と、ちょっとスケールが下がった感じが残念でしたね〜。
既に中盤で一度終わってんのよね。
ディストピア系としてサバイバルを描きたいのか。
異星人との生存バトルを描きたいのか。
ブレてるというよりは、全て込めすぎていてごちゃ混ぜ状態。
カオス!
もう少し整理してくれ!!
謎なのは、異星人アザーズが、なぜ地球を侵略したいのか?
まあ、大方の予想では単純に住処としてなんでしょうけど。
地球上でカースト上位である人類の淘汰に加えて、長年その地位に君臨する人類の動向を注視すべく、段階を踏んでの行動だったのだとは思いますが、、、
第1波で電磁パルスによる攻撃、次に地震(津波)、そしてウイルスでしたっけ?
こんなエネルギーで殺れちゃうのだから、手っ取り早く淘汰しちゃった方が犠牲は少ないように感じるし……
うーん、異星人の謎。
ぶっちゃけ、ヤングアダルト小説の映画化ってのは、アイディアに対して根本的なプロセスがぐだぐだになりがち。
スケールだけ大きくしても、そこに説得力が加わらないと興ざめしてしまうのよ。
今作はそう言った点で分かりやすい失敗例になってしまいました。
唯一の救いだったのは、キャシーの恋路と、弟を救い出すための奮闘でしたかね。
ああいった緊迫する内容であってもロマンスをどうにか入れて女性層も引き入れたいという意図は伝わってきたし、無理やり感は拭えないにしても作品を下げるほどくどい描写はなかったと思うので、私としてはアリだったかな。
唯一の家族内の生存者であり、生きる希望でもある弟を探す過程で、様々な事実と直面していくのは面白かったしワクワクはしました。
また、もう一人の主人公であるベンのターンも良かった。
むしろ、個人的にはこちらを主役にして掘り下げても良かったとさえ思っています。
というのも、少年少女ばかりが集められて軍隊を作るあたりは、現実社会でも起きている事象で、世界中で起きている紛争や、過去の大戦で特攻隊があったように、リアルな悲惨さとリンクさせて考えてしまった。
そのあたりは原作と作品と良さが出たと思います。
電磁パルスでやられていたはずの自動車や電力といったものをなぜか利用出来る、軍に対する疑念は初めからあったはずで、いくら子どもとはいえ高校生ぐらいなら不可思議な点に気づくはずだ。
その辺は、"大人が子どもを騙して利用している"という実社会の縮図みたいなものも感じて、なるほどなと思いましたね。
長々と書きましたが、様々な観点で見ていくと学びもあったんだなーと思う。
しかし、あの暗闇の戦闘シーンは本当に観づらかった。目が疲れた。
似たような感染+ディストピア系で、少女が感染しながらも自我を持って最後生き抜いて人間とのハイブリッドで社会構築を再スタートする作品があったのを思い出しました。
タイトル忘れたので、わかる人はコメントで教えて頂けると幸いです。