浪川リオン

ドクター・ストレンジの浪川リオンのネタバレレビュー・内容・結末

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます


クライマックスの香港の街の屋台にシャン・チーがいません? 似てるだけの違う人かな……



""ダークディメンションの力は時間を超越する""

と言う割にはラスボスの諦めの良さが少し気になった。時間の概念が無いか、希薄なはずだからそれこそ仏教とかにしか出てこないような時間※くらい待てそうなもんだが、と思ってしまった。映像として分かりやすくする為に見せるのは少しの回数で切り上げてくれただけで、実際は一兆回くらい繰り返してたのかもしれないが。

それか、"人が死を恐れるのを糧にする"とも言ってた気がするので、全く死ぬのを恐れないストレンジに恐れをなした…… というより気持ちが悪くなって嫌気がさしてしまったのかもしれないが。もうちょい説明が必要な感じがして最後の決着は少し物足りなかった。

ロンドンの街が多面体のような複雑な構成を見せる中、文字通りの"異次元の戦い"を繰り広げたり、倒壊した香港の街並みが逆巻きに再生していく中の戦闘シーンは目がとても追いつかないほどの圧巻の映像。映画館で見られた人が羨ましい。

(背景の映像が圧巻だった分、マッツ・ミケルセンと師匠のおでこの特殊メイクが安っぽいのが少し気になった。やっぱり赤か青の光のエフェクトとか入れてただならぬパワーが身に宿る感じを見せて欲しい)

映像面ではこの上なく満足感を得られたのだけど、傲慢だったストレンジの内面が変化していく成長過程はもう少し丁寧に描いて欲しかった。のと、上記のラスボスの決着がイマイチだったのと、師匠が格好良すぎてヒロインの魅力がやや薄まってたように思えたのであんまり高い評価を着けてないが、とても面白かった。

涙を拭くマントがかわいい。マーベルスタジオはこういう物体に"表情"を付けるのがうまい。
何作目か忘れたけど、マイティ・ソーでもともとの愛用の武器ミョルニル(映画ではジョロキアみたいな名前)への執着を捨てられないのを、新武器の斧、ストームブリンガーがいじらしくソーに何か物言いたげに横からカメラに入ってくるカットの天丼があったけど、これが面白かったし可愛らしかった。

パンチラ回数:0

※例えば仏教では宇宙が始まって終わるまでの時間を『1劫』とする。または『四十里四方の岩を天女が100年に一度天から舞い降りてきて羽衣で岩をサッと撫でる。その繰り返しで岩山が砂粒になるまでにかかる時間』とも言われる。年数で43億2000万年とも。
「外に出るのが億劫だ」とか言う時の"劫"はこれの事。