み

博士と彼女のセオリーのみのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.7
"Time(時間)"

ビールの泡、螺旋階段、コーヒーに注がれたミルク、ラストの逆再生、時を感じさせるものが沢山あって作り込みが天才だと思った。

エディ・レッドメインの演技が凄すぎる…

"アインシュタインが「神はサイコロを振らない」と言ったとき、彼は間違っていた。神はサイコロを振るどころか、見えないところに投げて我々を混乱させることまでする"

難しい病気と闘う夫スティーブンホーキング(エディ・レッドメイン)、それを支えるジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)っていうなんて言うか、苦難?難関を乗り越えて共に愛溢れて行く作品って思って見始めたけど。
そうではありませんでした。

夫婦の愛を感動に作り上げてるだけの作品では無い。
愛は扱っていますが2人きりの愛情と言うよりホーキング博士からジェーンへの愛情が大きく写されていたように感じた。ジェーンの浮気も仕方ないのかなって感じだった(そんな訳ない)

病状が進行していく中懸命に支える妻って、傍から見たら美しく綺麗に写るし、でもジェーンの中にも葛藤があって当然、むしろ葛藤だらけ辛さの方が大きかったと思う。

最後、離婚したシーンは賛否あったけど
結婚した時は絶頂期なのですよ愛情の。
でも月日が経てば色んな感情の変化が出てきてそれは当然のことでしょうがない事で、ましてや、ホーキング博士はALS、わかって結婚しても実際の介護と子育ての両立はかなりきついもの。それは実際に体験しないと分からないもの。

辛い時に優しくしてくれる他人に心が動いてしまうのも人間ならしょうがない事でそれが実際のリアル。

わざわざ感動仕立てにしてないのがリアルでよかった。
ハッピーエンドと思う人は少ないかもしれないけどこれはこれで綺麗な終わり方。
み