このレビューはネタバレを含みます
スティーヴン・ホーキング博士とその最初の奥様であるジェーン・ホーキングとの出会いから別れを描いた、ラブストーリー伝記映画。原作が、ジェーン・ホーキングご本人による著作ということもあり、伝記映画につきまとう史実とのズレというリスクを大きくは背負わないため、安心して観れた。
本作の素晴らしかった点は、まさに役者の演技だと思う。今ではファンタスティック・ビーストでよく知られる主演のエディ・レッドメインは、本作でアカデミー賞の主演男優賞を受賞したが、これは本当に文句なしだと思う。あれだけ表現の難しいALS患者の実態をここまでリアルに再現できる役者が他にいるだろうか。
加えて、ヒロイン役であるフェリシティ・ジョーンズも高く評価されるべきだと思う。彼女の美しさもさることながら、ローグ・ワンの主人公役で彼女に惚れ込んで以来、個人的にはとても好きな役者である。芯の強いキャラが相変わらずとても板についている。
一方で、伝記映画好きとしては、彼の功績とその背景に関する描写にもう少し尺を割いてほしかったというのは正直なところ。高く評価されているエンディングだが、個人的にあまり刺さらなかった理由は、それもあるだろう。
最終的には切ないストーリーだが、ユーモアが散りばめられていて、楽しく観れた一作だった。
