みかん

博士と彼女のセオリーのみかんのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.8
ブラックホール研究などで著名な理論物理学者、故・スティーヴン・ホーキング博士の実話に基づくヒューマンラブストーリー。

難病と、それに立ち向かう博士と妻のドラマが主軸のため、博士としての偉大な功績のエピソードは控えめにされてますが、それでもどれだけすごい発見をしたかわかりやすく簡潔に説明されていて(特異点とかブラックホールとか時間と空間についてとか)、それになぞらえた演出が素晴らしかったです。

序盤のくるくる回るダンスのシーンから、螺旋階段、メリーゴーランド、ブラックコーヒーに入れるくるくる回るミルクなど。そしてエンディングまで。博士の理論にリンクしてキレイにまとめてあってよかったです。

自然と惹かれあって恋に落ち、幸せいっぱいの若い2人に立ちはだかった、スティーヴンの病気、難病ALS。

余命2年と宣告され、日に日に病気が進行し歩くこともままならなくなっていくスティーヴンを支え続け、それでも結婚を決意するジェーン。

子宝にも恵まれ、献身的に支えるジェーンだが、スティーヴンの病気の進行が止まり、当初思い描いてた2人の未来と違う方向へ。

2人が出した答えは、あくまでお互いを愛するが故のことで、人間の愛はそんな計算して割り切れるものではないから、そういう愛の形もあるんだなと考えさせられました。

終盤、スティーヴンの落としてしまったペンを拾おうとするシーンとスピーチは目頭が熱くなりました。

それにしても、エディ・レッドメインがこんなに難しい役を見事に演じていてとても素晴らしかったです!アカデミー主演男優賞受賞も納得でした。


★天才物理学者として将来を嘱望されていたスティーヴン。ケンブリッジ大学大学院に在籍中、同じく文学部で中世の詩について勉強していたジェーンと出会い、恋に落ちる。

しかし、スティーヴンは難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。余命2年と宣告を受ける。

それでもジェーンはスティーヴンの側にいることを選択し、結婚。2人で力を合わせて難病に立ち向かっていくが、現実は厳しく、、。


スティーブン・ホーキング博士は、1963年に発症してから闘病し続け、2018年3月に76才で永眠されたのは記憶に新しいところ。

車椅子の物理学者として、素晴らしい発見や業績はもとより、人々に勇気や希望を与え続けて下さった偉大さに改めて感動でした。
みかん

みかん