Ryoko

博士と彼女のセオリーのRyokoのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
4.3
妻ジェーンの心境の行方が興味深かった。普通の夫婦とは言えなくともこの人と生きると決めた時の覚悟、生活に疲れて感じ始める夫への不満、夫にはない魅力を持つ男性に惹かれていく気持ち、家族への愛。どの気持ちも本物でどの気持ちを大事にしたらいいかなんて誰もわからない。
そんな彼女のことを一番悟っていたのはスティーブンだったんだろうな。体は不自由になってしまっても、上手く言葉を発せられなくても、彼の頭の中はジェーンを幸せにするための方法を探って、いろんな言葉が巡り巡っていたんだろう。
愛する人の幸せな人生を祈って、そうっとそうっと幸せに導こうとするスティーブンの心の深さに、とてつもない愛を感じてしまった。男女の愛や夫婦愛に「ありがとうの気持ち」が加わって、とても心地よい温度になった愛を感じた。映画だから多少美談にしている部分もあるだろうけれど、少なくとも私はそこに感動して涙があふれた。
エディ レッドメイン、フェシリティ ジョーンズはもちろん素晴らしかったけど、スティーブンの親友ブライアン、それからジョナサン役を演じた俳優さんもとても素晴らしかった。本当に優しい人って目が優しいんだよね。夫妻を見守る2人の眼差しがとても良かった。
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