リアルな感情を剥き出しに暴力や怒りに対してリリックを武器に怒涛の機関銃の如く言葉の連射で戦う音楽。
それがヒップホップだと思う。
思えば私は学生時代、どうしてもみんなが愛聴する流行りのロックを一緒に聞くのが辛かった。
というか全く体に馴染まなかった。
そんな窮屈な音楽人生に光を当ててくれたのは他ならぬブラックミュージックだった。
最初はクラシックソウル(レイ・チャールズからオーティス・レディング、ダニー・ハサウェイからマーヴィン・ゲイ、そして俺の神様的存在スティービーワンダー…まだまだ聴いたけど)にハマり流れ流れて当時の私がたどり着いた地がヒップホップだった。
(当時はエミネムやらネリーやらJAY-Zやら当時の流行り沢山聴いてたな…)
次第に彼等の残した遺産に浸っていく。
何より言いたいのは私が出会ったヒップホップは誰が何と言おうと私にとっては何よりもカッコいい"ロック"であった。
この作品はそんなギャングスタラップの黎明期に燦然と輝く星"N.W.A"の結成からその後の彼等の人生に焦点を当てた滅茶苦茶にヤバいドラマだ。
それにしてもどんだけ半端ない熱量で語られるんだ?この作品はよ!
伝説級のメンバーが全力で疾走する人生。
彼等の人生はまるで閃光の様な瞬きみたいで高速炉で衝突しあう原子同士みたいで、当たっては強烈なエネルギーとなって散る。
そんな一瞬だけど…様々なバックボーンに負けずに抗いながら立ち向かう男達がダサいわけがない。
こんな熱いドラマみて胸熱ならん奴は病院行ってこい!(俺はこの作品は2回目だけどアツアツだ!)
映画を飾る音楽は文句なく素晴らしいし、そもそもDr.ドレーの音楽が最高にドープでいつまでも酔える。
ドスンドスンと放つビートは低く舐めるようで針が飛んでしまいそうだし、ラップは爆弾の様にあちこちで炸裂するし、なんでこの作品がアカデミー賞で作品賞ノミネートすらされなかったのか…興醒めでしかない。
こんなリアルな作品こそスポットライト当てんとダメでしょ!(映画はヒットしたし脚本賞にはノミネートされたけど…笑)
未だに様々な形で差別は爪痕を残して禍根を残す。
今作では貧困と暴力と人種差別がより一層濃いが、何よりそんな過酷な環境がこんな鋭利な作品を産んだということに反省し、理解し、気付かなければならない、そして何よりも一緒になって立ち向かう事を忘れてはならない。
置かれた環境に感謝しながら闘う姿勢も忘れてはならないね。
そういえば…作品の舞台となったコンプトンという街だがここ数年?もう一度スポットライトを浴びせたのは今や時代の寵児と言っても過言じゃないケンドリック・ラマーだと思う。
彼もまたあの地のリアルを叫んだ新たなアーティストでもあると思う。
それがまた心打つわけで…。
彼の現在まで発表されてる音楽は人生に於いて一聴の価値がある。
いや、マジで。
聴けよ、必ず…損しねぇから!
最後に…
スヌープドッグと2パックもチラッと出てるよ笑