らんらん

裸の重役のらんらんのレビュー・感想・評価

裸の重役(1964年製作の映画)
3.7
人間ドラマ、企業もの
出演者、森繁久彌、団令子、星由里子、草笛光子、宮口精二、有島一郎、東野英治郎など

【内容】
簡単にまとめると

とある大手企業の重役である森繁久彌を主人公として
表では仕事の鬼と呼ばれ、次期社長とも噂される厳しくも優秀な人物であるが
裏では妻を亡くした男やもめで、娘の結婚問題に悩んだり
まとまったらまとまったで寂しさからノイローゼになったり

と、どんなに偉い人でも1人の親であり1人の男だったりするわけで、ままならないこともあるけど、なんだかんだそれなりにまとまるっていうハッピーエンドで幕

【感想】
ちょっと変わった構成のドラマだったのが印象的
最初のほうは企業ドラマっぽくて
次第に娘の結婚問題に反対する父親の物語になって
そこからまた更に不穏な感じに変化していく、っていう予想のつかない展開の連続だった

そんなに面白い映画ってわけでもないけど、お馴染みの東宝の出演者たちが多く登場してくるのでそれを見てるだけである程度楽しめる映画だった

出演者メモ
・3ヒロイン
星由里子がかわいい、いいとこのお嬢さん役がハマっている、それでいて思い切った性格なのも魅力的
「わたしを略奪して」はインパクトある台詞だった

もう1人のヒロイン団令子は後半から唐突に登場してくる、夜のゆきずりのお姉さんな役
こんないじらしい子いないよなーとか思うけど団令子にだったら騙されてもいいと思えた

バーのマダム役の草笛光子は相変わらずの貫禄とハマり役、当時30そこそこでマダム役がハマりまくってるのが凄い

・その他
無能社員役の宮口精二、児玉清がそれぞれいい感じに枯れてたりいい感じにダメな感じが出ていてグッド

東野英治郎、田崎潤、松村達雄、藤木悠なんかもいい感じにいやらしくて良い

有村一郎、中村伸郎、加東大介らは出番の少ないゲスト的な出演

・まとめ
古き良き時代の嫌な部分を描いた映画でもあった
平社員ってそんなに底辺な存在だったんだ
娘の結婚相手が万年平社員だと自分の評価や出世にまで影響出ちゃうとかすごい時代だなーって思った
今だと逆にお相手は一般人とか言って隠したりするくらいなのにね
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