TAK44マグナム

アンドロイドコップのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

アンドロイドコップ(2014年製作の映画)
3.0
熱血警官と高性能アンドロイドのコンビが悪を討つ近未来メカアクション。

天下のダメ映画創造の雄であるアサイラムが製作している時点で怪しい香ばしさがプンプンの「ロボコップ」劣化版です。
パッケージにデカデカと、「人間50%マシン50%」なんて表記されているものだから、てっきりロボコップのようにサイボーグのお話(だったらアンドロイドっていうのは間違いになりますが)なのかと思ったら、完全にロボットの警官が活躍する内容でしたよ。人間50%って、見た目のことだったのかな?
確かに顔はただの白人男性なんですが。

近未来のロサンゼルスは地震の影響で原発が破壊され、放射能汚染された地域は「ゾーン」と呼ばれる隔離地区となっています。警官のハモンド(マイケル・J・ホワイト)は相棒と共に麻薬組織のボスを追ってゾーンへ侵入しますが、事故により相棒が死んでしまいます。
その後、新しい相棒が配属されるんですが、これが新型のアンドロイドコップ、通称アイ・ワンでした。
ハモンドはアイ・ワンと仕方なくコンビを組み、市長の娘がゾーンで失踪したので保護しに行きます。
ゾーンには凶悪なギャング共もうようよしていて、ハモンドたちの命を狙っているのですが、この事件には意外な裏があったのでした。

という感じのお話です。
近未来SFってことで、ロボコップはもとより、マッドマックスやらニューヨーク1997やらサロゲートやら、色々な映画の影響を受けているごちゃまぜな世界感で、その節操のなさが正にアサイラムイズム!
ギャングの襲撃なんかは、少しウォリアーズの雰囲気もブレンドされています。

ハモンド役のマイケル・J・ホワイトと言えば代表作は「スポーン」になるのでしょうが、未だにマーシャルアーツの動きの良さは健在で、回し蹴りが実に様になるナイスガイです。
スピードも重量感もあるので、是非ともエクスペンダブルズにスカウトしてほしい逸材ですね。
格闘アクションは、ほぼマイケル・J・ホワイトが担当しています。とは言うものの、アクション映画なのにアクションシーンがそんなに多くない映画なので過度な期待は禁物ですが。

一方のアンドロイドコップですが、黒一色の装甲スーツにフルフェイスのヘルメットという出で立ちで、旧ロボコップのようにあまり動くことなく銃を撃ちまくる戦闘スタイルです。
恰好いいかというと、ダサ恰好いいって感じで、デザインはどことなく雑魚の兵隊っぼく(ジャケットのアンドロイドコップのデザインは30%ぐらい盛っていますよ)、せめてバイザー部分に何か表示させるとか、もっと工夫が必要だと思いました。
後半、バイザーが割れて、青い目だけが見えているのは個人的に気に入りましたけれど。
でも、このアンドロイドコップ、一応それなりに活躍はするんですが、いまいち戦闘でメチャクチャ強いのかというとあまりそんな印象がないんですよね。
一番役にたつのが応援を要請するために基地に連絡する場面とかなので、ほとんど携帯電話の代わりのような扱い(苦笑)。
もう少し、圧倒的に強いところを見せてくれてもいいのに、と観ていて不満でした。

定番ですが、このハモンドとアイ・ワンのコンビネーションが次第に様になってゆくバディムービーとなっています。
終盤には衝撃のどんでん返しが用意されていて、前半は退屈で眠くなりそうだったのに後半は奇跡的に盛り返しました。
これ、もっとちゃんと脚本を練って予算をかければ化けるような気がしないでもないので、どこかでリメイクしませんかね?
どう考えても必要のないカットや若干意味不明なシーンの乱立、大雑把で下手くそな編集、へっぴり腰のガンアクション、いつもどおりのショボいCGなどなど、改善の余地は山ほどありますし、モッサリとした演出やあまり意味のないスローモーションの多用も目に付きます。
しかし、これらををうまく改善できれば、すっきりとまとまって、面白さに拍車がかかるかと思うのですが・・・

うーん、改善しないといけない部分が多すぎますね!
やっぱり駄目かな(苦笑)
所詮はアサイラムだと承知して観ることをオススメします。


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