ゆかちん

ギリシャに消えた嘘のゆかちんのレビュー・感想・評価

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)
2.8
シュッとして髭がなくて前髪垂らしてる若めのオスカー・アイザックの色気ったら…!
なんやろ、やっぱ目なんかな?めっっちゃ惹きつけられる。哀愁セクシーというのだろうか。

スパイダーマンの時のキンステン・ダンストは、この人何でこんな人気あるヒロイン役やってるんやろ?て思ってたけど笑、この作品は綺麗だなぁと思った!
ビゴ・モーテンセンもダンディ紳士。グリーンブックのときのガサツで恰幅良すぎなオヤジじゃない笑。


1962年、ギリシャのアテネで詐欺まがいなことを行いながらツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル(オスカー・アイザック)が、パルテノン神殿で優雅なアメリカ人紳士チェスター(ビゴ・モーテンセン)とその妻コレット(キルステン・ダンスト)と出会う。
夫妻に魅了され、彼らのガイドを務めるライダルだったがーーー。



予告編をみたとき、チェスターとコレットはもともと人殺しとか悪いことしてるのかと思いきや、結果としてはそうだけど、意図としてはそこまでではないという。
チェスターは株で詐欺行為を行ってたから犯罪者は犯罪者だけど。
で、チェスターに金をゆすりにホテルの部屋に現れた探偵を揉み合った拍子に探偵が倒れて頭を打って死んでしまう。
そこにたまたま現れたライダルがその後始末を手助けしたことから、警察にも追われる身となった3人の逃亡劇。

殺人は故意ではなく、見方によれば正当防衛。でも、元から悪いことしてるしなー。
不利に働くのは確か。
そこから、あれよあれよの負の連鎖。

探偵が死んでしまったと知らなかった妻コレットは事実を知りチェスターから離れたがる。
一方、ライダルとコレットは惹かれ合う。
チェスターはコレットを連れて行こうとするが、拒否するコレット。またまた揉み合った拍子にコレットは階段から落ちて死んでしまう。
あれよあれよの負の連鎖。

コレットの死を知り、涙目&怒りを押し殺して怒鳴りたい気持ちを抑えて小さい声で抗議してチェスターに向き合うライダル。
ここのオスカー・アイザックの表情めちゃ良かった。


そこからどういう結末にするのかな〜と。
そこから罪を着せられそうになるライダルとチェスターとの心理戦・駆け引き。

どうなることかと思ってたら、最後はチェスターが警察に撃たれ、最後は全て自白し、ライダルに申し訳ないと言って亡くなる。

ライダルはコレットに惹かれて彼らを助けていたんだけど、ライダルはチェスターにも父の面影をみて惹かれていたのだろうか。
父親コンプレックスで拗れてる感。

チェスターとライダルの関係がなんとも繊細で、それが今作の見せ所なんやろうな。
お互い信頼してないし、敵視してるし、反発し合っているようで、惹かれ合ってるし、信頼してるし、邪険に出来ない。
相手に酷いことをしたら悪いなと罪悪感を抱くほどの想いはある。

ただ、強い盛り上がりの展開はなく、どちらかといえば淡々と進む。
出来事の波はあるけど、殊更盛り上がることはない。

時代の雰囲気や衣装、ギリシャのアテネやクレタ島、最後はイスタンブールと、異国情緒満載で旅してる感じなのは良かったなぁ。旅というより逃避行なんやけど。

チェスターの最後と、そこで涙を流すライダルはグッときた。
ただ、チェスターの墓にブレスレットを埋葬するライダルの表情はなんとも読みにくい。
彼はどんな感情なんだろうな。
そこから歩いていく背中が、なんともいえない余韻を残した。

オスカー・アイザックええ役者。
でも、あの目、惹きつける魅力を発揮する時と、熱い血の通ったパワーを感じる時と、冷たいような感情読みにくいような時がある。
その両方を感じられる作品でした。
ゆかちん

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