Misakey

王の涙 イ・サンの決断のMisakeyのレビュー・感想・評価

王の涙 イ・サンの決断(2014年製作の映画)
4.0
父を米びつに閉じ込められて死に追いやられた王が
自分の命の危険をずっと感じながら生きていく話。

李氏朝鮮第22代国王正祖の実話ベースのお話。

映画で言うとユアインとガンホの「王の運命」に出てくる
ガンホの孫、ユアインの息子の話。

簡単に言うと……
イサンのお爺さん(英祖)が老論派という派閥にそそのかされて(?)
イサンの父さん(思悼世子)を米びつに閉じ込め餓死させてしまう。
で、老論派は孫のイ・サン(正祖・ヒョンビン役)が王に就くと
自分達は父親の恨みで排除されるのでは?とびくついている。

…という事が前提。これ知らんとこの映画よくわからん。
たまたま「王の運命」を観てたんで面白く観る事ができたけど…。
イ・サン(正祖)はよく映画になりがちの世宗大王に次いで良い王だったとか。
韓国でも人気らしい。
イ・サンてドラマもあるぐらいだし、韓国では知っているのが前提なのかな?

前置きが長くなったけど…
子どもの売り買いや裏での陰謀がベースになっているので結構切ない。
腐った世の中というのが判りやすくてよいけど、やっぱり見てて辛いね。
子役の宝庫の韓国だから余計に胸にくるものがある。

この映画、配役が素晴らしい。
ハン・ジミンは人をいらっとさせる役をやるのが上手いし
あと、チョンジョエン。チョンジョエンの雰囲気と役が一致。
もちろんヒョンビンも真面目な印象も合っている。
チョ・ジョンソクもまた違う意味でバラエティ感出しているし。

ただ、ソンウンだけ胡散臭い…。割と誠実な役多いのに。なぜ?メイクのせい?

お話としては、最初は判り辛い。
けど、状況が揃って後半から一気にいろんな事が絡み合い状況が見えてくる。
それからはもう畳みかけるような流れ。
いやぁ皆さんカッコいいわ、ハン・ジミンは憎たらしいわで良い感じ。

しっかり筋の通っている映画。
ヒョンビンはチャラい役もあるけど、やっぱり不時着とかこの映画とかの
背筋の伸びた誠実な役が合ってる。

丁寧に作られた大掛かりな映画。
歴史的な予習は必要だけど、見ごたえあるのでぜひ。
Misakey

Misakey