NAOKI

オデッセイのNAOKIのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
3.8
「修学旅行 ○○高校一同様」
フロントにそう書かれたバスは無情にも我々を置き去りにして駐車場を出て行った。

「ケンジ~!お前がその変な木刀買うとかいうから💦」
「お前のでかい鉛筆よりマシだぁ💦」

「集合時間は16時!1秒でも遅れたら置いていくからな~脅しじゃないぞ!ほんとに置いていくからな…自力で宿まで帰ってこい!」

担任のキクチの顔が浮かぶ…
「キクチの野郎…ふざけやがって!おれたちがいつも逆らうからってこんなときに嫌がらせしやがって…」
「どうしよう…置き去りだぁ」木刀持ってるくせに泣きそうなケンジ…
「泣くな…ケンジ…きっと見てるぞ」「え?」
「考えてもみろ…いくら集合時間に遅れたからって高校生を置き去りにするかぁ?おれたちが事故にでもあったら学校つぶれるわ…キクチの野郎…絶対にその辺で隠れて俺たちを見てるって…しばらくしたら『少しは懲りたか』とか言いながら出てくるって…」

おれたちは余裕を見せるためにソフトクリームを買って食べながらベンチに腰掛け、キクチの野郎が出てくるのを待った…

悪ガキがふたり…修学旅行のバスに置き去りにされてこの騒ぎなのに…火星にひとり取り残されたら?ってのがこの映画😁💦

予告編を観て…これはとてつもなく恐ろしい映画だろうと想像して心待にしていた。「エイリアン」「悪の法則」のリドリー・スコット監督である…どれほど恐ろしいサバイバルを見せてくれるのか?

ところがなんと?どんな困難にも人の叡智で乗り越えていく素晴らしい人間讃歌だった…

マット・デイモンは植物学者ならではの知恵と工夫…そしてもうひとつ(これがこの映画を特別なものにした)ユーモアをもって孤独と死の恐怖に立ち向かうのである!

「おれは絶対に死ぬ…これ以上この音楽を聴き続けたら…」😁
船長が残したディスコ・ミュージック・コレクションのくだりは最高だ…しかもこの音楽たちがこの映画全体を彩る…去年亡くなったボウイのスターマンが流れるシーンは涙が出るぐらい素晴らしかった。

マット・デイモンは最後にアイアンマンスーツを完成させて宇宙空間をマッハで飛んで地球に帰還するのだが…(ウソ😁💦)

もうひとつ…この映画の中で中国が重要な絡みを見せる。「また中国が金出して無理やり…」と気を悪くする方もいるかもしれないが…これは原作にもちゃんと描かれている話でそういう事情ではないことを中国の名誉のために付け加えておく。

そうそう、置き去りにされたおれとケンジ…しばらく待ったが誰も現れず…本当に置き去りにされたと半泣きになり、1度も見もしなかった「旅のしおり」を開いて何とかその日の宿にたどり着いた(意外と近くだった😁)💦

キクチ~今の時代だったら新聞沙汰だぞ!
おれとケンジが叡智とユーモアを持った高校生で良かったな!
感謝しろよ!😁💦
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