くますけ

過ぐる日のやまねこのくますけのレビュー・感想・評価

過ぐる日のやまねこ(2014年製作の映画)
3.8
奇しくもその山小屋はふたりの失った大切な人との思い出深い場所だった。
やまねこは死の象徴。
寄り添うように過ごすふたりと、こじ開けようとする同級生の女の子の対比。

「忘れることを怖がるな」
お父さんの行動が思いがけなかった。
大切なひとを失った傷は時間しか癒せないこともあるけれど、逆を言えば時間で癒えてしまう。
どんなに思い返しても薄れていく記憶。
それが許せない、恐ろしい…大切な人であればあるほど。
傷を傷のまま持っていたかったふたりには必要な言葉だ。
忘れることに怯えることも罪悪感をもつ必要もないんだよと。

淡々としてたけれどうまくできてると思うし、好きな雰囲気だった。
このカットいる?ってとこもなくはなかったけど。
期待をもって観続けたい監督です。
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