脚本・演出・演技・撮影・編集、全てに自主映画離れした安定感があり、映画のリアリティを支えている。
「シン・ゴジラ」の監督陣は確実にこの映画を観た上でシンゴジの製作に臨んだはず(なんせ全く同じショットがあったりする)。「シン・ゴジラ」のインスパイア源のひとつになった作品だと思うので、あちらがお好きな方は是非。
原発事故のメタファーである怪獣に社会がどう対応するかという事のリアリティは「シン・ゴジラ」と通じるが、政治家や軍人のみに視点を絞ったあちらに対して今作は小さな街の市井の人々のみに視点を絞った事で、「シン・ゴジラ」とはまた違うテーマを浮き彫りにしている。
ニュース番組で流れる市井の人々のコメントに嘘臭さが全く無いのは、かなり貴重。
明らかに(意図的とはいえ)オーバーアクト過ぎる登場人物がいるのが少し残念だった。