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昔々、アナトリアでのtheocatsのレビュー・感想・評価

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)
2.0
難解?単純?忍耐力が必要なトルコ長編映画

ユスフ三部作の一つでトルコ映画の洗礼は受けていたので、本作も序盤から同様の雰囲気を感じる。
ストーリーに商業映画的技巧を凝らすことなく、あるがままの事象をドキュメンタリータッチで淡々と描きとおすという雰囲気。
視聴者の感情をことさら刺激するとか、難解さで知性を惑わせるなどの意図を感じることはない。
ただ淡々と、長々と、あるがままに・・・

勿論、監督に意図がない訳がなく、本国はもとよりカンヌでも大した賞を多数受賞しているようなので、それに値する「何か」に満ちていたことは確かなのだろう。
その「何か」を感じ取ることが全くできなかった自分の知性と感受性を心底恨めしく思う。
そんな人間にとってはただただ眠くならないように活を入れ続けるのが関の山。

登場人物達の会話や広大な田園風景、田舎の村長宅での食事場面、警官と犯人の諍い、検事のトルコ式実地検分、死体捜索と運搬法、そして司法解剖の在り方、その調書の作り方などから「ああ、これがトルコなのだな・・・」とおぼろな印象を刻み込むことしかできませんでしたね。


総評二つ星

002008
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