Frengers

昔々、アナトリアでのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

英米圏でのonce upon~というタイトルによるあり得たかもしれない過去を描くというスタイルとはまた別に、冒頭の遺体探しから遅々として進まないプロットと解決しない事件。30分ほど過ぎたあたりで初めて本作のタイトルの台詞が語られ、「今」起きたことを語る側ではなく語られる側であることが明かされる。顔や後頭部をクローズアップするカメラと横切る電車。
『殺人の追憶』『ゾディアック』以後を思わせるプロットと残虐性だけを残す。ガラス越しの最初と最後のショットはカメラの側に立った人間の断絶と現実を浮かび上がらせる。圧倒的な照明も素晴らしい。

DVDでしか見られないのが残念で、画質も今一つだったので、いつか再見できる日を楽しみにしている。
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