Sora

世界から猫が消えたならのSoraのレビュー・感想・評価

世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)
4.0
原作は未読。

失ってみてはじめて大切なことに気づく。
そして、思い出す。

映画としてはよくあるようなお話。
映像も柔らかい感じで好きでした。

佐藤健が最後の一本を選んでくれと自分の死が近いことを告げると、いつも淡々としているツタヤがパニック気味になりながらDVDを探す。永遠に続くはずだった「いつも」の出来事が突然、終わりを迎える。
いつも無口で母の死に際にさえ時計修理をしていた父。
そんな父も母を思い、息子の誕生に感謝をしていた。
「キャベツ」の空き箱をつくるのために積み上げられたキャベツ。
ポロポロ泣きました。

自分と友人が出会ったきっかけは何だっただろうか。
一緒にいるのが当然で、なんの不思議さもなく、今更そんなこと考えたこともなかった。
忘れられた思い出だが、いらない思い出ではない。

物を消す代償に1日寿命が延長される。
それと同時に出会いや思い出も消えてしまう。
無くなっても何も困らないと思っていた物だが、実は何かに繋がっている。
それと同様にこの世からいなくなったとしても何も変わらないと思っていた自分自身も、誰かの何かに繋がっているはず。

奥田瑛二さんのお父さん役はたまらなく良かったです。
不器用で口数は少ないが、愛が溢れていました。
濱田岳くんも素晴らしかった。
オタクちっくな独特な雰囲気と僕への深い友情。
この2人には泣かされました。
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