このレビューはネタバレを含みます
淡々として静かでゆっくりな映画は苦手です
が、この映画は面白かった。
実は見ている途中で、いつ頃からか量産され、ありきたりになった、本人が重い病気にかかって残りの人生をどう生きるかみたいな展開になったら、どうしようと考えていました。
ですが、それは無さそうだなと安心していた頃に、あの展開!
これももっと古くからある、ありきたりな展開ですが、驚きはしたものの、好みの問題なのか、別に嫌ではなかったんですよね。
その後、
「ああ、本当に死んじゃったんだな」
約束していた彼女にも気付かれず誰ひとり参列者はいませんでした。
しかし、最後たくさんの人たちが彼の元へ訪れます。
「近所の人たちかな?」
と思っていたら、2人目、3人目あたりで
「ああっ!そう来たかぁ」
感動というか、感心というか、上手いしよく思いつくし単純に凄いなぁと思いました。
おみおくりした人たちのアルバムを見るシーンが少し長いなぁとは思っていたんです。このラストシーンがあるからここで憶えておいてねという配慮だったのでしょう。
そういえば、演出が小津安二郎っぽさを感じました。監督は影響されているのかな?
淡々として静かでゆっくりな映画は苦手です。
それは退屈だったり、眠くなったりすることが経験上多いからです。
でもストーリーの先が気になったり登場人物に魅力があれば、そういう映画でも面白いということ、そんな当たり前のことに気づかされました。
分かってくれる人いないと思うけど、主人公の見た目がなんかカワイイというか面白いというか、見てると顔をくしゃくしゃにしたくなっちゃう衝動に駆られるんですよね!