何て書いたらいいのか…感情が整理できなくて、うまく文章にならない。ジョン・メイ自身にも変化が訪れようとした矢先だっただけに、まさかこんな結末とは…。
この世界にアルバムは数えきれないほどあっても、ジョンのアルバムは写真の意味において、この世にたった一冊と断言できる。彼が22年間、真摯に仕事に向き合った誠実さの証明なのだ(仕事を越えて人間としての方が多いかも)。
ラストではアルバムの人々がジョンの為に集う。不運ではあっても、悲劇ではないジョン・メイの生涯。言葉で聞くことはできなくとも沢山の感謝を物語るエンディング。救いも報いもちゃんとあって…でもやっぱり悲しいけどね。
エディ・マーサンの引き算演技を絶賛したい。ちょっとした動き、表情に深い味わいがある。どんな背景を持つ人物でも演じてしまう無国籍さ。確かな演技力の役者さんだ。
パゾリーニ監督の演出も静謐の極み。映像のみで多くを語る。