Myon

アンナ・カレニナのMyonのレビュー・感想・評価

アンナ・カレニナ(1935年製作の映画)
3.4
映像化にあたって鬼のように端折られ、この短尺で視聴者に物語を納得させるために登場人物の為人が改変されているのは、原作が大作なので仕方ない。その点この作品はバランス良く纏まっている。

しかしどうせわかりやすい展開にするなら、カレーニンをもっと冴えなくさせるべきだった。頑張って神経質な堅物を演じてはいたが、残念なことに?ベイジル・ラズボーン普通に恰好良い。それはともかくヴロンスキー役もあまり若くないだけでなく、彼を魅力的にみせるエピソードが少ないからアンナの心変わりの説得力が足りない。キティとリョービンの描写も少ないので、アンナを中心とする女たちの悲劇と幸福の対比が薄かった。

疑念や失意に打ちひしがれるガルボの淑やかな美しさと、時代ものとしての雰囲気づくりは素晴らしい。全体的にあっさりした描写なので古典のわりには見やすい作品。
Myon

Myon