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サンバのtoaのネタバレレビュー・内容・結末

サンバ(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

稀有な感動作ってわけでもなく、いい意味で現実的で良かった。終わり方も。
個人的にはサンバにとって1番のキーマンは叔父さんだと思うなぁ。

日本国籍を持ち外国で長年暮らした経験がない自分には、きっと不法滞在の本当の怖さが実感できてない。証明書がなければまともな職にも就けないし、治安のいいエリアに住めない。怪我をしても病院に行けないし、トラブルに遭っても警察に相談できない。きっと目につく権威に怯えて街を歩くことになる…推し量れない恐怖。。

昔友人たちと行ったパリ旅行で地下鉄からトラムに乗り換える時、アフリカ系の女性がまるで引率の先生のように構ってガイドしてくれたのを思い出しました。翌月には社会人になる我々が彼女にはティーンに見えたようで、驚くほど親切、お節介なくらいだった。性分だったのかもしれないけど、たくさんの白人が足早に過ぎ去る駅での1人気にかけてくれる彼女の行為が印象深くて、有色人種同士の妙な連帯感なのかなとか、今でも友人との思い出話になる。彼女の名前も知らないのに。
知らない土地での思わぬ親切って、心に刻まれるんですよね。
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